糖尿病Q&A
糖尿病ですが歯を抜くことになりました

歯を抜くことになりました。糖尿病の状態が悪いのですが、心配ないでしょうか?

糖尿病担当医より回答

糖尿病で抜歯 イメージ画像

診察室で度々いただく相談の中に、歯科の治療を予定している患者さんからのものが少なくありません。骨粗鬆症の治療薬や血栓予防薬など、毎日使用中の薬の中には歯科治療の際に注意を必要とするものもあります。かかりつけの病気の多くが、歯や口の中の不具合と大なり小なりの係わりがあり、安全に歯科治療を行うために注意しておくことが大切です。その点で、糖尿病は相互に大きく影響する疾患です。

糖尿病はコントロールが悪いと、傷口が治りにくく、感染を併発し易いことが知られており、歯科治療への悪影響が懸念されます。また、歯科治療によって食事をとることが難しい場合や、炎症が強い場合などは、血糖値が大きく上下に変動してしまう危険があり、薬の使用方法や体調管理などを主治医に相談することが重要なポイントとなります。

糖尿病は虫歯になり易く、歯周病のリスクも倍以上となることが分かっており、健康な歯の大敵であると言えます。一方で、歯周病等による慢性炎症は血糖値を下がりにくくしており、糖尿病コントロール悪化の原因となり得ますし、糖尿病発症の要因の一つとなっている可能性も否定できません。

健康は食事から。そして出発点である口の健康からです。しっかりと歯の治療を進めてください。

糖尿病担当医プロフィール

有好 浩一 医療法人社団有好内科クリニック 院長

平成6年:山口大学医学部卒業 医学博士
山口大学医学部附属病院病棟医長、併任講師を経て、平成25年有好内科クリニックを開院。
日本糖尿病学会認定糖尿病専門医・指導医、山口大学医学部非常勤講師

日本糖尿病学会認定糖尿病専門医 有好先生の糖尿病教室
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